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読んでみました「プロパガンダ・ポスターにみる日本の戦争」

「プロパガンダ・ポスターにみる日本の戦争」(田島奈都子編著,勉誠出版)を先日読み終えました。

志那事変ころから第二次世界大戦中に,日本政府等が制作した135枚のプロパガンダ・ポスターについて,それぞれの来歴・意義等について丁寧に紹介した作品です。

説明は,本当に丹念なのですが,本書の趣旨とずれているような感じがして,もっと,ポスターそれ自体を鑑賞出来たらよかったと思いました。

しかし,本書で紹介されているポスターは,全国中で殆ど散逸した中,有志の判断で残った,いわゆる阿智村コレクションであることを知ることが出来,また,ポスターそのものが,政府等の恥ずべき不明さと,一般国民の困惑を表わす作品群であると思われ,いろいろと考えることが出来ました。

「相続分の譲渡と相続税④」

第三者への無償譲渡

第三者に対して相続分が譲渡された場合,遺産分割の遡及効はそのまま適用されるわけではなく,相続分譲受人は,譲渡人が相続人たる地位において承継取得した財産を,譲渡人から承継取得したことになります。つまり,譲受人たる第三者が,相続財産の持分を取得するのは,相続によるものではなく,相続分の譲渡という人為的な行為によるものですので,譲受人には相続税は課されず,譲渡人である相続人に相続税が課されます。但し,第三者に対して相続分が無償で譲渡された場合,譲渡人が相続人たる地位において取得した財産を,譲渡人から無償で取得するわけですから,相続人から財産の贈与を受けたものとして相続分の譲受人には贈与税が課せられます。

 

 

読んでみました「バグダッドの秘密」

「バグダッドの秘密」(アガサ・クリスティー著,クリスティー文庫)を最近読み終えました。

1951年に発表された,著者にとって41作目の長編で,いわゆる,ノン・シリーズ物です。

2番目の夫が中東専門の考古学者だったためか,何作かある中東を舞台にした作品の一つですが,本作は,その設定がそれほど効果的とは思えませんでした。

また,主人公の造形が今一つで,さらに,著者にしては書き込みが足りず,全盛期の1940年代の作品群とは違ってきており残念でした。

しかし,エンターテーメントとしての魅力はあり,最後まで楽しく読みました。

読んでみました「桃源」

「桃源」(黒川博行著,集英社)を最近読み終えました。

現代の大阪・沖縄等を舞台に,大阪府警の刑事2名を主人公にした,ミステリーです。

最初の被疑者の捜査等が緩過ぎ,結果的に,飛行機に乗りまくって,名物を食べ・飲み歩くのにしか取り柄が見出せず,単行本を出すにあたっては,是非再構成・加筆修正すべきだったと思いました。

しかし,著者の初期のシリーズである,いわゆる「大阪府警」シリーズを彷彿とさせる人物造形・展開等で,また,同じく府警の元刑事を主人公にした,いわゆる「堀内・伊達」シリーズに漂う一種の凄惨さはなく,脳天気的明るさにあふれ,最後まで楽しく読みました。

「相続分の譲渡と相続税③」

共同相続人への有償譲渡

共同相続人に対して相続分が有償で譲渡された場合,譲渡対価の扱いが問題となります。これについては,相続分の譲受人の課税価格について,相続により取得した財産の価額から相続分の譲渡に伴う負担を控除した金額とする裁判例があり,代償分割における代償財産の取扱と同様になっています。したがって,相続分を譲渡した相続人は,相続により取得した財産の価額に相続分の譲渡対価を加えた額が課税価格となります。

 

読んでみました「世界一子どもを育てやすい国にしよう」

「世界一子どもを育てやすい国にしよう」(出口治明・駒崎弘樹著,ウェッジ)を先日読み終えました。

著作を多く持つ会社経営者(本書発表の2016年当時)と,多様に活躍する社会起業家とが,少子化問題等について対談したものをまとめた作品です。

様々な分野で遅れている日本の現状が良く分かり,他方,フランスでの少子化克服施策等も知ることが出来,大変勉強になりました。

また,巻末の「おわりに」において,現状に対する怒りをもって意思表明をすることが大事である旨説く等,建設的な考え方が随所に見られ,その姿勢自体が素晴らしいと思いました。

読んでみました「暗殺者の飛躍(上・下)」

「暗殺者の飛躍(上・下)」(マーク・グリーニー著,ハヤカワ文庫)を最近読み終えました。

著者の代表的シリーズである,元CIAの暗殺者を主人公にした「グレイマン・シリーズ」の第6作目で,2017年に発表された作品です。

本作は,前作でCIAと一応和解がなった主人公が,早速CIAの依頼を受けて,香港・ベトナム・タイの東南アジアを舞台に,ノン・ストップ・アクション・タイプで活躍する内容で,最後まで大変楽しく読みました。

特に,本作では,狂言回し的3人,つまり,主人公にとって,大事な存在となる2人と,他方,新しく敵役的人物となる1人の,造形が素晴らしく,また,結局CIAとは折り合いがつないことがしっかり描かれており,読みごたえがありました。

「相続分の譲渡と相続税②」

共同相続人への無償譲渡

譲渡人及び譲受人は,相続分の譲渡によって変動した相続分を基にされた遺産分割の結果に従い,相続税の納税義務を負うことになります。

つまり,相続分の全部を無償で共同相続人に譲渡した相続人は,相続によって取得する財産はありませんので,相続税の納税義務を負いません。

読んでみました「籠の鸚鵡」

「籠の鸚鵡」(辻原登著,新潮社)を最近読み終えました。

1980年代半ばころの,和歌山市等を舞台にした,実録風の犯罪小説です。

雑誌に連載されたものをそのまままとめた感じで,物語の中心が定まってないと思われ,また,ラストの展開も詰めが甘く,全体として完成度は高くないと思いました。

しかし,現実に起きた事件を元にした展開は,歯切れよく,また,「山一戦争」等の勉強にもなり,さらに,登場人物の造形はしっかりしており,久しぶりの一気読みで,最後まで面白く読みました。

「相続分の譲渡と相続税①」

相続分の譲渡は,遺産を分割する前であれば,他の相続人や第三者に対して有償無償を問わず可能です。

課税関係を考える上では,相続分の譲渡が,共同相続人に対してされたのか第三者に対してされたのかという,譲渡の相手方による違いと,無償か有償かを分けて考える必要があります。

次回にて引き続きご説明します。