-債務整理(名古屋市、愛知県、岐阜県、三重県)あいわ法律事務所弁護士法人-

ブログ

読んでみました「歌行燈」

「歌行燈」(泉鏡花著,岩波文庫)を昨日読み終えました。

明治43年(1910年)に発表された,当時の三重県桑名市を舞台に,他にも三重県の宇治・山田・鳥羽等も登場する,著者の代表作とされる作品です。

謡曲「海人」・「東海道中膝栗毛」・能楽「高砂」等を踏まえて展開する物語で,二度も映画化されている通り,十二分にエンターテーメント性がありながらも,文学として極めて完成度が高く思われ,最後まで非常に面白く読みました。

日露戦争後の,いわゆる「不機嫌な時代」であり発表当時,(巻末の秋山稔の「解説」によると)「神技伝彩、殆ど敵手が無い」とも,「さながら入神の妙ある人形芝居を見るの心地がする」とも絶賛され,さらに,著者を断然否定するはずの自然主義側からも,「芸術の威厳と人情の温味との融け合う心持ちが、妙に涙の滲むやうな芳烈な感じを起こさす」と高く評価されたのは,当時の評価能力の高さと公平さに感心しつつ,当然だと思えました。