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読書について「天保悪党伝」

「天保悪党伝」(藤沢周平著,角川文庫)を先日読み終えました。

江戸時代後期の天保年間の江戸を舞台に,歌舞伎等で著名な河内山宗俊や直侍こと片岡直次郎ら6人を主人公にした,短篇スタイルの,ピカレスク風時代小説です。

アメリカの犯罪小説から影響が大きいと言われている著者らしく,小気味良い展開の各編で,大変面白く読みました。

また,著者晩年の1992年に発表された作品だけあって,完成度が高く,感心しながら,楽しめました。

読書について「容堂印譜」

「容堂印譜」(高知県立高知城歴史博物館編・発行)を最近読み終えました。

本作は,幕末・明治初期に活躍した,土佐藩藩主山内容堂があつめた印124点等が,山内家の家令の仙石家から寄贈されたことを機縁に編まれた作品です。

印も人をあらわすのか?,数多くの印は,「へそまがり大名の自画像」(副題)なのかは分かりませんでしたが,印自体に素養が無いので,極めて新鮮に感心しながら読みました。

また,巻頭の「一考察」は,山内容堂について丁寧に説明されており,特に,司馬遼太郎作「酔って候」批判が鋭く,大変勉強になりました。

読書について「あの血まみれの男は誰だ?」

「あの血まみれの男は誰だ?」(サイモン・ブレット著,ハヤカワ・ポケット・ミステリ)を最近読み終えました。

1987年に発表された,売れない俳優チャールズ・パリスを主人公にしたシリーズの1作で,1990年に英国推理作家協会が出した「史上最高の推理小説100冊」では98位に選ばれたミステリ―史上の名作です。

なお,アメリカにおいては,1995年にアメリカ探偵作家クラブが出した「史上最高のミステリー小説100冊」で圏外になっていますが,発表年が新しいのと,イギリス風のユーモアミステリっぽいので,アメリカでは受けなかったからではないかと推察します。

しかし,マクベスの上演に向けての演技者たちのドタバタや,古典を踏まえての展開等,良く考えられており,最後まで大変面白く読みました。

読書について「疑心」

「疑心」(今野敏著,新潮文庫)を先日読み終えました。

東大法学部卒のキャリア警察官僚を主人公した,「隠蔽捜査」シリーズの第3作です。

主人公の扱われ方が,シリーズ物にありがちですが,変人から,愛すべき存在へと変わりつつある感じがして,残念でした。

しかし,ページタナー的魅力と読み易さは,前2作と同様で,約3時間ほどで,楽しくどんどん読めました。

読書について「統帥権と帝国陸海軍の時代」

「統帥権と帝国陸海軍の時代」(秦郁彦著,平凡社新書)を先日読み終えました。

多数の著作を持つ現代史家が,明治憲法下でのマジックワードの一つである,「統帥権」を中心に,陸海軍と国家の興亡等を描いた作品です。

著者らしく,多彩な視点から,縦横に資料を駆使して記されており,安心してゆったりと読めました。

内容的にも, 現実の大問題に目を逸らし,徒に右派的考えが有力となっている現在と類似する時代と,その結果としての国家的衰亡の歴史が分かり,大変面白く読みました。

読書について「ゴッドファーザー(上・下)」

「ゴッドファーザー(上・下)」(マリオ・プーヅォ著,ハヤカワ文庫)を先日読み終えました。

1969年に発表され,1995年にアメリカ探偵作家クラブが出した「史上最高のミステリー小説100冊」では,堂々15位に選ばれている,ミステリ―史上?の名作です。

1990年に英国推理作家協会が出した「史上最高の推理小説100冊」では圏外になっているように,そもそも本作がミステリーの範疇に入るかは,結構疑問で,アメリカ探偵作家クラブでは,本作を犯罪小説として捉えているんだろうと思いました。

犯罪小説としては,映画史に残る傑作と評価されてい映画ほどには,優れているとは感じられず,むしろ,最初に読んだ時と同様に,本作は青春小説だと思え,それなりに面白く読みました。

読書について「泥濘」

「泥濘」(黒川博行著,文藝春秋)を最近読み終えました。

著者の代表的シリーズである,「疫病神」シリーズの単行本レベルでは最新作で,今回も主人公コンビが,行き当たりばったり的に活躍します。

振り込め詐欺や,フロント企業としての高齢者福祉施設等を登場させ,警察の暗部とクロスさせる等,現在的なテーマを踏まえながらスピーディに展開する内容で,従来の作品と同じく,大変面白く読みました。

読書について「興亡の世界史13 近代ヨーロッパの覇権」

「興亡の世界史13 近代ヨーロッパの覇権」(福井憲彦著,講談社)を最近読み終えました。

シリーズ物の一作品として,研究者が,世界文明の辺境者から,世界を支配する地位に立ちながら,第一世界大戦により,完全にアメリカの後塵を拝するようになるまでの,ヨーロッパの歴史を記した作品です。

国民国家と民主主義という,日本も真似をしている,プロトタイプが確立されるまでを,丁寧に描いており,歴史のダイナミズムを感じることが出来,大変面白く読みました。

読書について「八百万の死にざま」

「八百万の死にざま」(ローレンス・ブロック著,ハヤカワ・ミステリ文庫)を最近読み終えました。

ニューヨークの探偵マット・スカダーを主人公にしたシリーズの,主人公がアル中時代の最高作とされており,アメリカ私立探偵作家クラブ賞受賞作です。

本作は,1982年に発表され,映画化もされた著者の代表作です(ちなみに映画は内容がかなり変わっていますが傑作だと思います)。

内容的にも,自省の念に駆られながら,過去を吹っ切れない主人公の造形が非常によく出来ており,読むのは何回目ですが,今回も感心しながら,非常に面白く読みました。

読書について「孤篷の人」

「孤篷の人」(葉室麟著,KADOKAWA)を最近読み終えました。

1590年代から近世初期にかけて,幕府官僚・作庭家・茶人等として活躍した,小堀遠州を主人公にした時代小説です。

主人公と,その岳父に当たる藤堂高虎とを狂言回しにして,千利休・古田織部・石田三成・伊達政宗等を描く内容ですが,定型化し過ぎている感じがしました。

しかし,昨年惜しまれつつ急逝した作者の作品らしく,落ち着いた展開で,時代の変遷を味わえ,大変面白く読みました。