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カテゴリー別アーカイブ: 代表弁護士のブログ

読んでみました「プロパガンダ・ポスターにみる日本の戦争」

「プロパガンダ・ポスターにみる日本の戦争」(田島奈都子編著,勉誠出版)を先日読み終えました。

志那事変ころから第二次世界大戦中に,日本政府等が制作した135枚のプロパガンダ・ポスターについて,それぞれの来歴・意義等について丁寧に紹介した作品です。

説明は,本当に丹念なのですが,本書の趣旨とずれているような感じがして,もっと,ポスターそれ自体を鑑賞出来たらよかったと思いました。

しかし,本書で紹介されているポスターは,全国中で殆ど散逸した中,有志の判断で残った,いわゆる阿智村コレクションであることを知ることが出来,また,ポスターそのものが,政府等の恥ずべき不明さと,一般国民の困惑を表わす作品群であると思われ,いろいろと考えることが出来ました。

読んでみました「バグダッドの秘密」

「バグダッドの秘密」(アガサ・クリスティー著,クリスティー文庫)を最近読み終えました。

1951年に発表された,著者にとって41作目の長編で,いわゆる,ノン・シリーズ物です。

2番目の夫が中東専門の考古学者だったためか,何作かある中東を舞台にした作品の一つですが,本作は,その設定がそれほど効果的とは思えませんでした。

また,主人公の造形が今一つで,さらに,著者にしては書き込みが足りず,全盛期の1940年代の作品群とは違ってきており残念でした。

しかし,エンターテーメントとしての魅力はあり,最後まで楽しく読みました。

読んでみました「桃源」

「桃源」(黒川博行著,集英社)を最近読み終えました。

現代の大阪・沖縄等を舞台に,大阪府警の刑事2名を主人公にした,ミステリーです。

最初の被疑者の捜査等が緩過ぎ,結果的に,飛行機に乗りまくって,名物を食べ・飲み歩くのにしか取り柄が見出せず,単行本を出すにあたっては,是非再構成・加筆修正すべきだったと思いました。

しかし,著者の初期のシリーズである,いわゆる「大阪府警」シリーズを彷彿とさせる人物造形・展開等で,また,同じく府警の元刑事を主人公にした,いわゆる「堀内・伊達」シリーズに漂う一種の凄惨さはなく,脳天気的明るさにあふれ,最後まで楽しく読みました。

読んでみました「世界一子どもを育てやすい国にしよう」

「世界一子どもを育てやすい国にしよう」(出口治明・駒崎弘樹著,ウェッジ)を先日読み終えました。

著作を多く持つ会社経営者(本書発表の2016年当時)と,多様に活躍する社会起業家とが,少子化問題等について対談したものをまとめた作品です。

様々な分野で遅れている日本の現状が良く分かり,他方,フランスでの少子化克服施策等も知ることが出来,大変勉強になりました。

また,巻末の「おわりに」において,現状に対する怒りをもって意思表明をすることが大事である旨説く等,建設的な考え方が随所に見られ,その姿勢自体が素晴らしいと思いました。

読んでみました「暗殺者の飛躍(上・下)」

「暗殺者の飛躍(上・下)」(マーク・グリーニー著,ハヤカワ文庫)を最近読み終えました。

著者の代表的シリーズである,元CIAの暗殺者を主人公にした「グレイマン・シリーズ」の第6作目で,2017年に発表された作品です。

本作は,前作でCIAと一応和解がなった主人公が,早速CIAの依頼を受けて,香港・ベトナム・タイの東南アジアを舞台に,ノン・ストップ・アクション・タイプで活躍する内容で,最後まで大変楽しく読みました。

特に,本作では,狂言回し的3人,つまり,主人公にとって,大事な存在となる2人と,他方,新しく敵役的人物となる1人の,造形が素晴らしく,また,結局CIAとは折り合いがつないことがしっかり描かれており,読みごたえがありました。

読んでみました「籠の鸚鵡」

「籠の鸚鵡」(辻原登著,新潮社)を最近読み終えました。

1980年代半ばころの,和歌山市等を舞台にした,実録風の犯罪小説です。

雑誌に連載されたものをそのまままとめた感じで,物語の中心が定まってないと思われ,また,ラストの展開も詰めが甘く,全体として完成度は高くないと思いました。

しかし,現実に起きた事件を元にした展開は,歯切れよく,また,「山一戦争」等の勉強にもなり,さらに,登場人物の造形はしっかりしており,久しぶりの一気読みで,最後まで面白く読みました。

読んでみました「熱狂の王 ドナルド・トランプ」

「熱狂の王 ドナルド・トランプ」(マイケル・ダントニオ著,クロスメディア・パブリッシング)を最近読み終えました。

アメリカのトランプ大統領が,共和党の予備選に臨み,同党の大統領候補となったころ(つまり2016年夏),出版されたらしい作品です。

内容的には,主に2010年ころまでが,ニュー・ジャーナリズムに類する水準で書かれており,非常に興味深く読みました。

特に,ドナルド・トランプ大統領と現代社会の,適切な理解として,本書巻末の以下の記載が俊逸だと思いました。

「多くの人がサンドイッチを食べる前にその写真を撮ってネットにアップする時代になり、強烈なナルシシズムを持つことが異常とは言い切れないようになった。メディアを通して自我を拡大できるようになった社会において、ナルシシズムはむしろ、自分はつまらない存在だという感覚から逃れるための当たり前の要素なのかもしれない。ドナルド・トランプは特異な男ではない。彼はむしろ、現代に生きるわれわれの誇張された姿に過ぎない。だが、自身を特別な存在であると考えたくてたまらない彼にしたら、この結論を不快に思う可能性が高い。それは、われわれにとっても同じである。」

読んでみました「米朝開戦 1・2」

「米朝開戦 1・2」(マーク・グリーニー著,新潮文庫)を最近読み終えました。

故トム・クランシーの代表的シリーズ,「ジャック・ライアン」シリーズを,故人と3作共作した著者が,一人で書いた初の作品のうち,4分冊中の1・2冊で,2014年に発表された,アメリカと北朝鮮との争いを描いた作品です。

(幸い,「ジャック・ライアン」シリーズは,処女作の「レッド・オクトーバーを追え」以外は未読なので,しかとは分かりませんが)編集・出版サイドから,契約上非常に強い縛りを受けているようで,「ジャック・ライアン」親子,つまり,シニア(アメリカ大統領)と,ジュニア(アメリカの諜報機関の一員)の登場するくだりは,朝のテレビ小説並みの,恐ろしく低いレベルで,驚き呆れました。

また,内容だけでなく,新潮文庫版は,ポイントは大きめで,しかも,各分冊とも実質約300ページ程度の分量で,様々な面での現在の出版レベルの低さを,痛感しました。

しかし,著者の代表的シリーズである,「暗殺者グレイマン・シリーズ」を彷彿とさせる部分もあり,また,北朝鮮側の描写はしっかりしており,何とか,最後まで読み,残りの2分冊も読みたくはなりました。

読んでみました「陽炎の門」

「陽炎の門」(葉室麟著,講談社文庫)を最近読み終えました。

江戸時代の黒島藩(藩の来歴からすると「来島藩」がモデル)シリーズの第1作で,下士から執政に成りあがった主人公等が活躍する時代小説です。

敵役らの造形が,著者の他作品もそうですが,今一つ深みが無く,残念でした。

しかし,全体の設定と地理は著者得意のものですが,本作では,主人公の開き直り度が見事で,また,主人公を取り巻く人々の人物造形も良く出来ており,さらに,終盤の展開もカタルシスを感じることが出来,エンターテーメントとして完成度の高い作品に思え,大変面白く読みました。

読んでみました「文藝春秋オピニオン 2020年の論点100」

「文藝春秋オピニオン 2020年の論点100」(文春ムック)を先日読み終えました。

本作の成り立ちの説明を発見できなかったので,推測ですが,2019年に,月刊誌「文藝春秋」に掲載された記事のうち,2020年にも話題になりそうなものを,100本集めたらしい作品です。

興味深く読んだ物も数本ありましたが,掲載スペース上の制約のためでしょうが,全体的には,内容不足で,物足りませんでしたが,一応の知識の整理等には役立ち,退屈せずに読みました。

なお,個人的には,時間の無駄に思えるので,月刊誌・週刊誌等定期刊行物は,ここ30年程は読んでいませんが,今後もそうしようと思いました。