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カテゴリー別アーカイブ: 代表弁護士のブログ

読んでみました「罪の段階」

「罪の段階」(リチャード・ノース・パタースン著,新潮社)を最近読み終えました。

敏腕弁護士でもあった著者が,1992年に発表した,元パートナーだった女性を容疑者とする,事件を弁護する主人公の活躍を描く,サスペンスです。

本作は,リーガル・サスペンスの要素よりも,被害者の人物造形と,女性としての生きる苦労に重きが置かれており,ミステリーとしては完成度は高くないと思いましが,当時の,そして,現在の世界を良く描いていると思え,最後まで,大変面白く読みました。

読んでみました「かさ増しレシピ」

「かさ増しレシピ」(新谷友理江著,マイナビ)を最近読み終えました。

フードコーディネーター等である著者が,「まんぷく&簡単!おいしいダイエットごはん」(副題)のレシピを紹介した作品です。

少し前に出された作品ですので,糖質よりは,カロリー制限に重きが置かれていますが,説明も簡潔ながら分かり易く,また,写真等も的確に思え,そのため作りたくなる料理も多く感じられ,大変面白く読みました。

読んでみました「蝉しぐれ(上・下)」

「蝉しぐれ(上・下)」(藤沢周平著,文春文庫)を昨日読み終えました。

お馴染みの海坂藩を舞台にした,青春小説で,テレビ・映画化等もされた著者の代表作です。

本作は,著者としては円熟期に書かれた正に金字塔と呼ぶべき作品で,初期の不遇感に支配された作品群から脱却し,教養小説風に見事に主人公らの生きざまを描いており,久しぶりに読みましたが,最後まで大変面白く読みました。

読んでみました「満潮に乗って」

「満潮に乗って」(アガサ・クリスティー著,クリスティー文庫)を最近読み終えました。

1948年に発表された,著者にとって38作目の長編で,いわゆる,いわゆるポアロシリーズとしては,23作目の長編です。

さすがに,全盛期の1940年代の作品らしく,ポアロを狂言回し的に使う構成は読みやすく,また,設定・登場人物の造形等もしっかりしており,さらに,戦争直後のけだるい感じもよく出ており,最後まで大変面白く読みました。

ただし,ラストのまとめ方は,ロマンス小説家でもあった著者の面目躍如と言え,好き嫌いはあると思いますが,著者の最高作と思っている「愛国殺人」に通じるものがあり,私は,素晴らしいと感じました。

読んでみました「「砂漠の狐」ロンメル」

「「砂漠の狐」ロンメル」(大木毅著,角川新書)を昨日読み終えました。

ドイツ軍関係の著作を持つ現代史家が,第二世界大戦中のスター将軍について記した評伝です。

地図が少ないため理解しずらく,また,日本風に関連図書批評的内容になっていますが,この点は,毀誉褒貶の激しい人物についてなので,やむを得ないと思いました。

しかし,一次資料を重視して,冷静に対象者を扱っている姿勢は,信頼でき,最後まで非常に面白く読みました。

読んでみました「プリニウスⅠ」

「プリニウスⅠ」(マザキマリ,とり・みき著,新潮社)を昨日読み終えました。

著名漫画家らがタッグを組んで?書いた,紀元後1世紀に活躍したローマ帝国の博物学者等の「ガイウス・プリニウス・セクンドゥス」,を主人公にした著名マンガの一巻目です。

巻中に,私には完全に不要に思える,著者二人による「とりマリ対談」が3カ所もあり,不思議に感じました。

しかし,本作は,ウェスウィウス(ヴェスヴィオ)火山の噴火を契機にして,主要登場人物を登場させる内容で,面白く読め,また,皇帝ネロとの確執等も描かれており,これからの展開が大変楽しみなりました。

読んでみました「ケルズの書」

「ケルズの書」(萩原美佐江著・複写制作,求龍堂)を最近読み終えました。

8世紀のヨーロッパの僧院で制作された装飾ページのある聖書である「ケルズの書」を,現代日本の女性が,「復元模写及び色彩と図像の考察」(副題)をした作品です。

数奇な運命をたどった,「アイルランドの至宝」(副題)を,現存する部分について,絵具の探究等も含めて,可能な努力をして成し遂げられた復元は素晴らしく,大変感動しました。

また,現状模写に止まらず復元模写をしていることや,表記も日英二か国語でする等,著者・模写製作者の志の高さが感じられ,非常に優れた書籍だと思いました。

読んでみました「人類5000年史 Ⅱ」

「人類5000年史 Ⅱ」(出口治明著,ちくま新書)を昨日読み終えました。

多数の作品を持つ筆者が,人類の歴史を描くシリーズの第2作で,「人類5000年史」のうち,「紀元元年~1000年」(副題)までの歴史を描いています。

たぶん3部作になるであろう作品全体の発想が,実に気宇壮大に感じられ,また,影響し合う世界を,地域横断的に語っており,非常に面白く読みました。

何か所かどうかなと思える記載もありましたが,当時世界文明の中心であった,中東(東ローマ帝国を含む)・インド・中国(その北方・西隣を含む)の3地域を平等に描いており,素晴らしいと思いました。

読んでみました「歌行燈」

「歌行燈」(泉鏡花著,岩波文庫)を昨日読み終えました。

明治43年(1910年)に発表された,当時の三重県桑名市を舞台に,他にも三重県の宇治・山田・鳥羽等も登場する,著者の代表作とされる作品です。

謡曲「海人」・「東海道中膝栗毛」・能楽「高砂」等を踏まえて展開する物語で,二度も映画化されている通り,十二分にエンターテーメント性がありながらも,文学として極めて完成度が高く思われ,最後まで非常に面白く読みました。

日露戦争後の,いわゆる「不機嫌な時代」であり発表当時,(巻末の秋山稔の「解説」によると)「神技伝彩、殆ど敵手が無い」とも,「さながら入神の妙ある人形芝居を見るの心地がする」とも絶賛され,さらに,著者を断然否定するはずの自然主義側からも,「芸術の威厳と人情の温味との融け合う心持ちが、妙に涙の滲むやうな芳烈な感じを起こさす」と高く評価されたのは,当時の評価能力の高さと公平さに感心しつつ,当然だと思えました。

読んでみました「夢果つる街」

「夢果つる街」(トレヴェニアン著,角川文庫)を最近読み終えました。

1976年に発表された,カナダのモントリオールのスラム街?を舞台にした,警察小説風の作品です。

多彩な作風を誇る著者らしく,本作は,前作までのスパイ小説ではなく,人間ドラマを濃密に描いており,最後まで面白く読みました。

また,カナダのフランス語圏の雰囲気が良く分かり,続編が書かれなかったのが,残念に思えました。