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カテゴリー別アーカイブ: 読書ブログ

読書について「短篇ベストコレクション 現代の小説2018」

「短篇ベストコレクション 現代の小説2018」(日本文藝家協会編,徳間文庫)を先日読み終えました。

(巻末「解説」によると)純文学・時代小説以外の,「2017年度に文芸誌に掲載された作品群から名うての読み手が厳選した十六篇」(裏表紙コピー)が収められたアンソロジーです。

SF的に逃げている?感じの作品が多く,全体としては面白くは読めませんでした。

しかし,河崎秋子作「頸、冷える」・いしいしんじ作「おとうさん」・勝山海百合作「落星始末」は,面白く読みました。

読書について「ファーストステップ 改正民法」

「ファーストステップ 改正民法」(西口竜司編著,小田紗織・城戸直樹著,中央経済社)を先日読みました。

実務家らが,大きく改正された民法について,従来から変更の無い規定も含めて,コンパクトに解説した作品です。

本書は,家族法も含んで,148pでまとめているので,不十分だと思える個所も少なくありませんでした。

しかし,改正部分に絞った作品は数多く出ていますが,本書は,改正されていない部分も含めて新民法を説明するスタイルで,大変ユニークな作品だと思い,面白く読みました。

読書について「マーダー・プラン(上・下)」

「マーダー・プラン(上・下)」(ジョナサン・ケラーマン著,講談社文庫)を先日読み終えました。

2000年に発表された,ロサンジェルスの小児臨床心理医を主人公にした,ミステリー・スリラーシリーズの1作品です。

取り上げられているテーマ自体は,発表当時も,現在でも大事なものだとは思いました。

しかし,本シリーズは,ロス・マクドナルドの正当派ハードボイルドシリーズの影響を強く受け,加えて,他のテーマも交えて,かなり面白いシリーズですが,本作は,散漫な展開になっており,シリーズとして行き詰まっている感じが強くしました。

読書について「夏しぐれ」

「夏しぐれ」(縄田一男編,角川文庫)を先日読み終えました。

「時代小説アンソロジー」(副題)で,具体的には,平岩弓枝作「二十六夜待の殺人」・藤原緋沙子作「ひぐらし」・諸田玲子作「似非侍」・横溝正史作「夢の浮橋」・柴田錬三郎作「怪談累ケ淵」の5作が収められています。

正直言って,各作ともそれほど面白くはなかったです。

しかし,柴田錬三郎の作品は,映画のコピー風に言うと,登場人物皆悪人の内容で,独特の魅力は有ると思いました。

読書について「人物業書 源頼義」

「人物業書 源頼義」(元木泰雄著,吉川弘文館)を最近読み終えました。

研究者が記した,武士の主流となった河内源氏の祖「源頼信」の子で,前九年合戦等で活躍した武将の評伝です。

藤原摂関家との関係等は,もっと詳しく知りたかったですが,資料が限られているためか,あっさりと記されており残念でした。

しかし,後日の作為が加わった,「吾妻鏡」や「陸奥話記」の誤謬を正し,実像に迫る記述は,合理的で説得力があり,知的読み物として,大変面白く読みました。

読書について「ロウフィールド館の惨劇」

「ロウフィールド館の惨劇」(ルース・レンデル著,角川文庫)を昨日読み終えました。

1977年に発表された作品で,1990年に英国推理作家協会が出した「史上最高の推理小説100冊」では39位に,1995年にアメリカ探偵作家クラブが出した「史上最高のミステリー小説100冊」でも89位に,それぞれ選ばれている,ミステリ―史上の名作です。

日常的にあり得ることが,極端な惨劇を生んでいく過程を緻密に描き,また,読者自身も体験するかもしれないという恐怖感を抱かせるような作りになっており,非常に良く出来た傑作だと改めて思いました。

また,映画化(ちなみに映画も傑作とされています)されたとおり,単なる心理劇ではなく,エンターテーメントとしての完成度も高く,再読でしたが,大変面白く読みました。

読書について「あかんべえ(上・下)」

「あかんべえ(上・下)」(宮部みゆき著,新潮文庫)を先日読み終えました。

江戸時代の江戸の料理屋を舞台にした,著者得意のホームドラマ風ファンタジー調ミステリーです。

非常に良く言えば,ほのぼのとして,和やかになうちに読める,エンターテーメントだと思いました。

他方,皮肉っぽく言えば,(アンソロジーで短編しか読んだことが有りませんが,私が同系統の小説家だと思っている)赤川次郎が時代劇に走るのが遅かったのは,むしろ立派だと思いました。

読書について「天皇家全系図」

「天皇家全系図」(米田雄介監修,井筒清次編著,河出書房新社)を最近読み終えました。

表題どおり,天皇家の系図と,各天皇等事跡等をまとめた作品です。

監修者が冒頭で,「無謀な」「挑戦」であると記してあるとおり,極めて困難な作業の上に作成された著作で,大変感心しながら読みました。

内容的にも,簡明な構成を採用した上で,穏当と思われる記述で,安心して読め,知識の整理に大いに役立ったと思いました。

読書について「ナイルに死す」

「ナイルに死す」(アガサ・クリスティー著,クリスティー文庫)を最近読み終えました。

1937年に発表された,著者にとって22作目の長編で,いわゆるポアロシリーズとしては,15作目の長編です。

ミステリーとしては大味な感じもしますが,映画化されているとおり,エンターテーメントとしては,完成度の高い作品だと思いました。

また,著者の得意とする要素が集まっており,①「オリエント急行殺人事件」・「そして誰もいなくなった」等と同じ,クローズドサークル物で,②再婚相手が中東地域で活躍する考古学者だったためか何作かある,エキゾティックな雰囲気が横溢する中東物で,③犯行の目的が,べとべとした感情問題ではなく,極めてドライで,最後に,④ダメ男に対する女性の破滅的純愛が描かれており,随分前に読んだので細部はしっかり忘れていたためか,新鮮に感心しながら,楽しく読めました。

読書について「毒殺者」

「毒殺者」(折原一著,文春文庫)を最近読み終えました。

著者の代表的シリーズである「~者シリーズ」の第一作に当たる作品で,いわゆる「トリカブト保険金殺人事件」をモデルにした作品です。

本作は,1992年に「仮面劇」として発刊された作品を,改題・改訂して2014年に発表された作品ではあるものの,構成的には,著者得意の叙述トリックよりも,どんでん返しの展開が特徴の作品だと思いました。

内容的にも,無理をしていると思える個所も少なくなく,また,人物造形も今一つに思え,完成度は低いと思いましたが,ページタナー的魅力は有り,最後まで面白く読みました。