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カテゴリー別アーカイブ: 読書ブログ

読書について「時雨のあと」

「時雨のあと」(藤沢周平著,新潮文庫)を最近読み終えました。

本書は,いわゆる市井もの短編3編,武家もの短編4編,計7編を収めた短編集です。

本書は,1976年に発表された,著者としては初期の作品群ですが,各編とも吹っ切れた展開の,完結性の高い内容で,大変面白く読みました。

特に,厄介者の武士の生き様を描く,「果し合い」が良く出来ていると思いました。

読書について「バースへの帰還」

「バースへの帰還」(ピーター・ラヴゼイ著,ハヤカワ・ミステリ文庫)を最近読み終えました。

1995年に発表され,同年の英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞を受賞したミステリー&スリラーです。

ミステリー&スリラーとして、いろんなタイプの愉しみ方が出来る作りで,日本の作品だと4・5冊分が含まれている感じで,やはり西洋と日本とは大きな差があると思いました。

特に,警察を辞めさせられた主人公が捜査に当たる設定とか,イギリス人らしい?と思える主人公の造形とかには,感心しました。

読書について「世界史の新常識」

「世界史の新常識」(文春新書)を最近読み終えました。

研究者等23人がテーマ別に記したコラムっぽい文書をまとめた作品です。

書下ろしでないためもあるのか,はっきり言って玉石混交で,福田和也のように著者の不勉強・不見識を露呈したに止まる部分もあり,読み通すのに苦労しました。

また,全体として,新たな多数説等を示す趣旨ではないようなので,「新常識」という題名はおかしいと思いました。

しかし,勉強になる部分も多く,特に,呉智英や山内昌之著の部分は,ユーモラスもあり,大変面白く読みました。

読書について「闇の梯子」

「闇の梯子」(藤沢周平著,講談社文庫)を最近読み終えました。

本書は,いわゆる市井ものの短編3編,士道者ものの短編2編,計短編5編を収めた作品です。

本書は,1974年に発表された,著者としてはごく初期の作品群ですが,各編ともそれぞれよく出来ており,以後の作品群のスタートを成す作品と思われ,大変面白く読みました。

特に,表題作は,著者自身の実人生も踏まえて,作品全体につながるテーマを扱っていると思われ,感慨深く読みました。

読書について「五匹の子豚」

「五匹の子豚」(アガサ・クリスティー著,クリスティー文庫)を昨日読み終えました。

1943年に発表された,著者にとって32作目の長編で,いわゆる,いわゆるポアロシリーズとしては,21作目の長編です。

①過去の殺人事件を扱った作品で,かつ,②マザー・グースの童謡が重要な役割を果たす点等がクリスティーらしく,また,全盛期に書かれた作品らしく,端正な構成で,さらに,ラストもお見事で,再読でしたが,一気に大変面白く読みました。

読書について「老けない人の最強レシピ」

「老けない人の最強レシピ」(牧田善二著,新星出版社)を最近読み終えました。

臨床医が,体の「糖化」をふせぐため,AGEの少ない,具体的なレシピを示した作品です。

著者の他作でも同じですが,個々の指摘が具体的で,正しいとする根拠も明瞭に感じられ,安心して面白く読みました。

特に,加熱の度合いが低いほど,有益な食物であることが良く分かり,大変勉強になりました。

読書について「春雷」

「春雷」(葉室麟著,祥伝社文庫)を昨日読み終えました。

架空の豊後羽根(うね)藩を舞台にしたシリーズの第3作目で,直木賞受賞作である「蜩ノ記」,2作目の「潮鳴り」に続く作品です。

ひとりの人物の生き様を描く前2作とは異なり,凡庸な主君・重臣等しかいない小藩で,何事かをなそうとした人々の死に様を描いた内容で,アクション等も適所で織り込まれる等エンターテーメントとしての完成度も高く,最後まで大変面白く読みました。

また,女性の人物造形も的確に思え,感心しました。

読書について「訣別(上・下)」

「訣別(上・下)」(マイクル・コナリー著,講談社文庫)を昨日読み終えました。

著者の代表シリーズである,元ロサンジェルス市警察刑事ハリー・ボッシュを主人公にした作品で,アメリカでは2016年に発表された作品です。

講談社文庫での本シリーズの最大の欠点である,邦題名のダサさは,相変わらずで,何ともならないと,原題名のように,あきらめの心境になりました。

また,始めの方に登場する依頼者や,最後に解決される事件の加害者の造形は今一つに思え,さらに,巻末の「訳者あとがき」には明らかな誤字があり,残念でした。

しかし,主人公を現代のフィリップ・マーロウと形容することにふさわしい内容で,また,主人公が,ロサンジェルス市警察とは縁が切れ,ロサンジェルス市近郊のサンフェルナンド市警察に勤務することになる展開も示され,最後まで,非常に面白く読みました。

読書について「日中韓を振り回すナショナリズムの正体」

「日中韓を振り回すナショナリズムの正体」(半藤一利・保阪正康著,東洋経済新報社)を最近読み終えました。

日本近代史等について多くの著作を持つ識者2人の対談をまとめた作品です。

2014年に出た作品なので,現在の問題とは完全リンクしているわけではありませんが,レベルの高い内容で,首相を始め現内閣等を見ると暗澹たる気持ちになりますが,こういう人たちがまだいることが分かり,大変安心しました。

特に,ナショナリズムの分類として,民族主義・国民主義・国家主義と整理できること,また,ナショナリズムのベクトルとして,A層(国家ナショナリズム)・B層(庶民ナショナリズム)・C層(歪みの伴うナショナリズム)と考えられること等が良く分かり,大変興味深く読みました。

読書について「書斎の死体」

「書斎の死体」(アガサ・クリスティー著,クリスティー文庫)を最近読み終えました。

1942年に発表された,著者にとって31作目の長編で,いわゆるミス・マープルシリーズとしては,2作目の長編です。

ミステリーとしては,展開がやや突飛に感じられ,完成度は高くないと思いましたが,第二次世界大戦の最中であることを感じさせない,ゆったりとした内容で,また,イギリスの地方の良さが巧く描かれており,さらに,脇役たちの造形も素晴らしく,小説として,最後まで大変面白く読みました。