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カテゴリー別アーカイブ: 代表弁護士のブログ

読んでみました「グレート・インフルエンザ」

「グレート・インフルエンザ」(ジョン・バリー著,共同通信社)を昨日読み終えました。

1918年から1920年にかけて,パンデミック状態となり世界中で猛威を振るい,本書によれば,5000万人から1億人の死者の被害等を与えた,いわゆる「スペインかぜ(スペイン・インフルエンザ)」についての顛末を描いたノン・フィクションです。

内容的には,研究者の動向に重きを置き過ぎている感はしましたが,一応ニュージャーナリズムのレベルには達していると思われ,また,3波に分かれた襲来に翻弄される様は叙事詩的悲劇に思え,さらに,只今,パンデミックに直面している我々には過去の歴史だと看過しえず,大変面白く読みました。

特に,現在の日本のように,無能な当局の対応のため,壊滅していくフィラデルフィア市の惨状や,乗客・乗員から多数の死者を出し続けながら船舶による輸送が続けらた事実等,約100年前の出来事ですが,生きていくために非常に勉強になりました。

読んでみました「ビール」

「ビール」(パルコエンターテーメント事業部)を最近読み終えました。

日本の小説家等41名が,ビールについて書いた随筆等をまとめたアンソロジーです。

中には,これはどうしようもないと思った作品もありましたが,概ね楽しく読みました。

特に面白かったのは,何回読んでも大変楽しく読める,東海林さだお作「生ビールへの道」と,内田百閒作「タンタルス(上)」でした。

読んでみました「Yの悲劇」

「Yの悲劇」(エラリー・クイーン著,角川文庫)を最近読み終えました。

1932年に発表された,引退した名優ドルリー・レーンを主人公にしたシリーズ4部作のうち,2作目で,ニューヨークを舞台にしたミステリーの新訳版です。

日本では,異常に傑作扱いされていますが,1990年に英国推理作家協会が出した「史上最高の推理小説100冊」でも,1995年にアメリカ探偵作家クラブが出した「史上最高のミステリー小説100冊」でも,共に圏外になっており,内容のおどろおどろしさ?等が,単に日本人受けしているのだと思います。

内容的には,約40年前に最初に読んだ際と同様に,そもそも設定等がデコーレーション過剰に思え,また,私にはどうでもよいと思われる部分が,詳しく展開されており,興醒めし,さらに,真相の解明がご都合主義そのものに思え,先日再読した,クリスティーの「ねじれた家」の方が,はるかに良く出来ていると思いました。

読んでみました「第二次大戦の<分岐点>」

「第二次大戦の<分岐点>」(大木毅著,作品社)を最近読み終えました。

ドイツ軍関係の著作を持つ著述家が,第二世界大戦について雑誌等に掲載したものや,学術論文等をまとめた作品です。

私が読んだのは,1刷でしたが,独ソ戦における,ドイツ軍「北方軍集団」を扱った部分では地図の,また,北アフリカの戦闘について記した部分には地名の,明白な誤り等があり,残念でした。

しかし,体系的な作品というより,ぶつ切り的な記述を綴った内容ですが,全体的に,一次資料を重視して,冷静に対象者を扱っている姿勢は,信頼でき,最後まで非常に面白く読みました。

特に,私も何作か読んだ,戦記物の著作家「パウル・カレル(本名 パウル・カール・シュミット)」の実像を明らかにした部分は,以前から抱いた疑念が解消でき,大変勉強になりました。

読んでみました「海鳴り(上・下)」

「海鳴り(上・下)」(藤沢周平著,文春文庫)を最近読み終えました。

江戸を舞台に,いわゆる「中年の危機(ミッドライフ・クライシス)」に直面した商人らを主人公にした小説です。

本作は,著者としては円熟期に書かれた作品で,大好きな彫師伊之助シリーズの「ささやく河」にも通じる内容で,最後まで大変面白く読みました。

読んでみました「予告殺人」

「予告殺人」(アガサ・クリスティー著,クリスティー文庫)を最近読み終えました。

1950年に発表された,著者にとって40作目の長編で,いわゆる,ミス・マープルシリーズとしては,4作目の長編です。

イギリス本国のみならず,昨年日本でもテレビドラマ化された,著者の代表作の一作で,全盛期の1940年代に引き続く作品です。

衝撃的な冒頭が素晴らしく,ミス・マープルシリーズらしく,主人公が活躍するのは,最後の方だけですが,イギリスの田舎町の描写が卓越しており,また,展開の意外性も著者らしく,大変面白く読みました。

読んでみました「桃屋ごはん」

「桃屋ごはん」(桃屋営業企画室,パルコエンターテーメント事業部)を最近読み終えました。

今年創業100周年になる,「ごはんですよ!」等で知られる食品メーカーが,自社製品を使った料理のレシピをまとめた作品です。

ご飯ものがほとんどなので,直接参考になりませんでしたが,手軽にでき,かつ,美味しそうな料理が多く紹介されており,様々な応用もできそうで,大変楽しく読みました。

読んでみました「内田百閒集成24 百鬼園写真帖」

「内田百閒集成24 百鬼園写真帖」(内田百閒外著,ちくま文庫)を最近読み終えました。

ちくま文庫の「内田百閒集成」の最終巻で,内田百閒自身の生まれてからの写真等と,生原稿及び石田千等の追憶記からなっています。

個性が良く分かる写真が多く,また,有名な住居の雰囲気も分かり,偏屈だが愛すべき人物の有りしの日の姿が伺え,大変面白く読みました。

追憶記の中では,阿川弘之の「百閒三昧境」が,筆者は生前一度しか内田百閒に合ったことがないこと等が分かり,特に面白かったです。

読んでみました「死者の長い列」

「死者の長い列」(ローレンス・ブロック著,二見書房)を最近読み終えました。

ニューヨークの探偵マット・スカダーを主人公にしたシリーズの,12作目で,主人公が禁酒を始めてからの作品としては6作目です。

本作は,1994年に発表された作品で,前作「死者との誓い」と同様,落ち着いた展開で,優れたミステリーは良き風俗小説だと思っている私には,街の描写等も含めて,非常に完成度の高い作品だと思いました。

内容的には,お馴染みとなった脇役登場人物達のエピソードも豊富で,ハードボイルドというより,ミステリーとして,大変面白く読みました。

読んでみました「マネーの魔術史」

「マネーの魔術史」(野口悠紀雄著,新潮選書)を最近読み終えました。

憂国?気鋭の経済学者が,世界のマネーの歴史について記した作品です。

週刊誌等に連載されたものが元になっているので,ややぶつ切り状態となっている点や,欧米中心の記述になっていることが,残念でした。

しかし,内容的には,長い歴史の中でも,繰り返される愚行の数々が分かり,また,ニュートンの実像等も認識でき,大変勉強になりました。

特に,「社会保障」等の「戦費と同じくらいに大きな負担」を,「財政規律」を緩ませ,中央銀行たる日銀が国債を実質的に引受けることにより,「国債の貨幣化」を進行させている現在の日本は,既に破綻しているのが良く分かりました。