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カテゴリー別アーカイブ: 読書ブログ

読書について「私にとっての憲法」

「私にとっての憲法」(岩波書店)を昨日読み終えました。

2017年に発刊された,各界で活躍する53人の日本国憲法に関する発言を収めた作品です。

自民党のすすめようとしている改憲に反対の立場の意見で占められていますが,その点は,正にその通りだと思いました。

内容は各人各様で,大変興味深く,また,8割方の発言者は私は知らない人々だったので,人物を知ることが出来ただけでも,非常に勉強になりました。

読書について「凍える牙」

「凍える牙」(乃南アサ著,新潮社)を昨日読み終えました。

1996年上半期の直木賞受賞作で,当時の警察を舞台にしたスリラー・ミステリーです。

ラストあたりは,息切れ気味に感じられ,残念でした。

しかし,主人公である女性警官と,その先輩の刑事とのやり取り等は,類型的ですが良く出来ており,また,登場する動物の造形が何と言っても素晴らしく思え,最後まで楽しく読みました。

読書について「バッドラック・ムーン(上・下)」

「バッドラック・ムーン(上・下)」(マイクル・コナリー著,講談社文庫)を最近読み終えました。

アメリカのハードボイルドを代表する,ロサンゼルス警察の刑事ボッシュを主人公にしたシリーズ等以外の作品で,2000年に発表された,通算10作目の作品です。

内容的には,主人公の女性と,主人公を追う私立探偵の2つの視点で途中まで進む構成で,散漫な感じがし,成功しているとは思えず,また,本作から,日本の出版社が講談社に変わりましたが,邦題のセンスの悪さを,最初から露呈しており残念でした。

しかし,他作には無い,ピカレスク風の魅力が,家族愛と混ざり合って展開し,最後まで楽しく読みました。

ただし,上記の異様さのためか,著者は,主人公になった人物を他シリーズでも,割と頻繁に登場させますが,本作の主人公は,私がこれまで読んだところ,他の1作のみ,しかも,ほんの少ししか登場していません。

読書について「フェルメール原寸美術館」

「フェルメール原寸美術館」(千足伸行・青野純子・中村麗執筆・解説,小学館)を昨日読み終えました。

フェルメールの全35作品を,100%の原寸部分も含む画像で,6つのテーマに分け,解説した作品です。

私が実見したこがあるのは僅か2作品ですが,(シリーズ物のようで,採算が取れなくて大丈夫かと,要らぬ心配をしながら)大変興味深く,最後まで読みました。

特に,フェルメールは,市民社会が到来しつつある中で,社会に受け入れられ,少なくない作品を後世に残せたことが分かり,非常に勉強になりました。

読書について「長門守の陰謀」

「長門の守陰謀」(藤沢周平著,講談社文庫)を昨日読み終えました。

表題作の外,武家もの1編と市井もの3編の合計5編からなる短編集です。

単行本は1978年に出た作品なので,著者の初期から中期に当たる時期に書かれた各短編と思われ,何度目かの読書でしたが,大変面白く読みました。

特に,表題作は,以後の複数の作品で登場する,野心的な藩主の弟をめぐる作品で,史実に基づくそうですが,しっかり出来ており,優れた作品だと改めて思いました。

読書について「薔薇は死を夢見る」

「薔薇は死を夢見る」(レジナルド・ヒル著,ハヤカワ・ミステリ文庫)を昨日読み終えました。

1983年に発表された,イギリスの地方を舞台にした,ダルジール警視とパスコ―刑事を主人公にしたシリーズの,第7作ですが,第5・6作は翻訳されていないので,邦訳ベースで言うと,第5作目になり,1990年に英国推理作家協会が出した「史上最高の推理小説100冊」では71位に選ばれた作品です。

なお,1995年にアメリカ探偵作家クラブが出した「史上最高のミステリー小説100冊」では,圏外になっていますが,ミステリーとしては,事件が解決しないタイプの作品なのが,原因だと思いました。

内容的には,先に記したようにカタルシスに欠ける点はありますが,興味深い展開で,また,相変わらず登場人物の造形は良く出来ており,再読でしたが,最後まで大変面白く読みました。

読書について「ワタミの失敗」

「ワタミの失敗」(新田龍著,KADOKAWA)を昨日読み終えました。

ブラック企業等の専門家が,数年前に,ブラック企業と非難され,倒産寸前まで追い込まれた企業の分析等をした作品です。

表題の企業のみではなく,多くの会社を取り上げ,「「善意の会社」がブッラク企業と呼ばれた構造」(副題)を明らかにしており,大変興味深く読みました。

他にも,例えば,不祥事等が発覚した際の危機管理対応策として,①事実をオープンにする,②原因究明の結果を伝える,③責任の所在を明らかにする,④損害・損失を明らかにし講じている拡大防止措置を伝える,⑤今後の再発防止への取り組みを伝える,と実践的に説かれており,非常に勉強になりました。

読書について「廉恥 警視庁強行犯係・樋口顕」

「廉恥 警視庁強行犯係・樋口顕」(今野敏著,新潮文庫)を最近読み終えました。

多数のシリーズを持つ作家の,警察小説シリーズの第4作で,テレビドラマ化もされた作品です。

本作は,第3作が2000年に発表された後,14年ぶりに発表された作品ですが,第3作と第4作である本作との間に,14年の年月は経過しておらず,違和感を覚えました。

内容的には,力入り過ぎ感があった第3作とは異なり,以前の落ち着いた感じが戻っており,最後まで,面白く読みました。

また,著者らしい読み易さは維持されており,ポンポンと速やかに読めました。

読書について「グラス・キャニオン(上・下)」

「グラス・キャニオン(上・下)」(ジョナサン・ケラーマン著,扶桑社ミステリー)を先日読み終えました。

1987年に発表された,ロサンジェルスの小児臨床心理医を主人公にした,ミステリー・スリラーシリーズの第3作です。

本シリーズは,ロス・マクドナルドの正当派ハードボイルドシリーズの影響を強く受けた上で,心理学的アプローチを取るシリーズです。

本作は,特に先日読んだロス・マクドナルドの「運命」の影響を受けていると感じましたが,著者が小説家として成熟し始めた感じがするほど完成度が高く,また,子供等の登場人物の造形は良く出来ており,最後まで面白く読みました。

読書について「江戸お留守居役の日記」

「江戸お留守居役の日記」(山本博文著,読売新聞社)を昨日読み終えました。

研究家が,原資料をしっかり吟味した上で,江戸の「寛永期の萩藩邸」(副題)「につめて、幕府や他藩などと折衝にあたる藩の外交官」(はしがき)である留守居役,福間彦右衛門の活躍を描いた作品です。

多くの大名が取り潰され,また,島原の乱等の動乱もある中,懸命に職務に励む姿が,的確に描かれており,大変面白く読みました。

30年近く前に出された作品ですが,時代劇では,毎日宴会をしているだけみたいに描かれること多い留守居役が,藩の存亡を賭け,必死に活動する姿が生き生きと記されており,知的読み物として,非常によく出来た作品だと思いました。