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カテゴリー別アーカイブ: 読書ブログ

読書について「罪と罰 1・2・3」

「罪と罰 1・2・3」(ドストエフスキー著,光文社古典新訳文庫)を最近読み終えました。

1866年に発表された,誰もが知る名著で,ちなみに,1995年にアメリカ探偵作家クラブが出した「史上最高のミステリー小説100冊」では,堂々?24位に選ばれています。

なお,1990年に英国推理作家協会が出した「史上最高の推理小説100冊」では圏外になっていますが,その理由は,本作が推理小説とは認識されていなかったからだと思います。

以前他の文庫で読みましたが,新訳になって,確かに読み易くなっており,また,会話部分が実に多い作品だと,改めて認識できました。

なお,訳者によるガイド等が,「3」巻末にありますが,個人的には,発表当時有頂天?になっていたヨーロッパ文明の僻地での限界を描く内容だと思え,それほど感銘を受けませんでした。

読書について「闇の歯車」

「闇の歯車」(藤沢周平著,文春文庫)を最近読み終えました。

江戸時代の江戸を舞台に,小さな居酒屋の常連客達が行う押し込み強盗の顛末を描いた,ハードボイルドタッチの時代小説です。

映画化され話題になっていますが,本作は,著者の初期の作品で,アメリカのハードボイルド小説の影響が結構強く出ており,この傾向は,本作の後に3作が書かれた,「彫師伊之助」シリーズに引き継がれて成功したと思いました。

内容的には,個々のエピソードは面白いものの,全体としては,今一つ決まっていないと感じましたが,最後まで面白く読みました。

読書について「アドルフ・ヒトラーの一族」

「アドルフ・ヒトラーの一族」(ヴォルフガング・シュトラール著,草思社)を最近読み終えました。

ジャーナリストが,表題について,網羅的に丹念に記した作品です。

原書は2005年に出版された作品なので,現在では,他説・新説等が出ていると思いますが,非常に興味深い内容で,大変面白く読みました。

特に,ヒトラーが唯一愛した女性とされる,異母姉アンゲラの娘,つまりヒトラーの姪にあたる,アンゲラ・ラウバル(愛称ゲリ)との関係と彼女の死に至る経緯は,極めて大事に思われ,スターリンの妻の自殺と重ね合わて,色々と考えることが出来ました。

読書について「地獄変・邪宗門・好色・藪の中」

「地獄変・邪宗門・好色・藪の中」(芥川竜之介著,岩波文庫)を先日読み終えました。

(巻末の中村真一郎の「解説」によると)「芥川竜之介王朝物全集」2冊本の第2冊で,表題の4作を含めて,11作の短編が収められています。

読んだことがあったのは,黒澤明監督の「羅生門」の主要原作となった「藪の中」だけで,他の作品は初めて読みましたが,それぞれ面白く,中でも,「六の宮の姫君」は特に面白かったです。

読書について「犠牲者は誰だ」

「犠牲者は誰だ」(ロス・マクドナルド著,ハヤカワ・ポケット・ミステリ)を最近読み終えました。

日本ではアメリカハードボイルド小説の王道を行くとされている著者の,私立探偵リュー・アーチャーを主人公にした代表的シリーズの第5作です。

本作は,1954年に発表された作品で,著者の第9作目にあたりますが,依然として,チャンドラーの影響等が存在する作品で,シリーズ初期の作品であると感じました。

また,内容的には,家族関係等を重視するマクドナルド節は見られますが,プロットを弄い過ぎていたり,また,アクションシーンが派手過ぎて,今一つの出来だと感じました。

読書について「「産業革命以前」の未来へ」

「「産業革命以前」の未来へ」(野口悠紀雄著,NHK出版新書)を最近読み終えました。

先端的な知見について作品の多い著者が,AIやブッロクチェーン等により,産業革命以前の社会,つまり,組織ではなく個人を主体とし,集権的ではなく分権的な社会へ,そして産業構造等は,垂直統合から水平分業へと変わる,「ビジネスモデルの大転換期が始まる」(副題)ことについて記した作品です。

著者の他作と同じく,構成・文書とも明解で,非常に読み易く,大変勉強になました。

ただし,この大転換のトップランナーとして走る米中や,追随するヨーロッパ等に,完全に置いてけぼりになっている日本の現状も良く分かり,日本で生きるのはますます困難になることが分かり,暗澹たる気分となりました。

読書について「さっちん」

「さっちん」(荒木経惟著,河出書房新社)を先日読み終えました。

東京オリンピックが開催された1964年に,平凡社の第1回太陽賞を受賞した,当時の東京の下町で躍動する少年らを撮った写真集です。

本作は,受賞後の雑誌発表後にネガが紛失したため,これまで写真集には収められていませんでしたが,技術の進歩により,古い雑誌から起こして,受賞作品が写真集となった,「オリジナル版」(副題)です。

内容としては,東京の,廃墟と化した日本最初期の鉄筋コンクリートのアパートを舞台に,そこで生き生きと遊ぶ少年少女たちを撮った作品で,確かに,貧しい雰囲気は有りますが,当時の活力等が良く感じられ,大変面白く読みました。

読書について「黄泉の国へまっしぐら」

「黄泉の国へまっしぐら」(サラ・コードウェル著,ハヤカワ・ポケット・ミステリ)を先日読み終えました。

1985年に発表された,イギリスの名門リンカーン法曹院に所属するテイマー教授を主人公とするシリーズの2作目で,イギリス風ユーモアあふれる作品で,1990年に英国推理作家協会が出した「史上最高の推理小説100冊」では76位に選ばれています。

なお,1995年にアメリカ探偵作家クラブが出した「史上最高のミステリー小説100冊」では圏外になっていますが,その理由は,本作がイギリスのユーモア小説の系譜に在るからであり,また,アメリカ人が活躍しないからだと推察?します。

内容的には,ユーモアの点がくどくなる点もありますが,非常に楽しく,また,ヨーロッパの森の特性が理解出来,さらに,日本には無い法曹院なる制度も分かり,最後まで大変面白く読みました。

読書について「戦乱と民衆」

「戦乱と民衆」(磯田道史,倉本一宏,フレデリック・クレインス,呉座勇一著,講談社現代新書)を最近読み終えました。

(京都に在る国際日本文化研究センターの)研究者が,表題について,2017年10月開催されたシンポジウムにおける,①著者とされている4人による発表,及び②この4人に,もう一人の研究者を司会者にしたディスカッションと,③同2017年12月に開催された,上記4人に,さらに他学の3人の研究者が加わったディスカッションの,3部からなる作品です。

最後の③のディスカッションは,脱線気味でしたが,全体的に,英雄や偉人ではなく,民衆の視点からの各論説・発言は,刺激的で,大変面白く読みました。

特に,磯田道史による,1864年8月に発生した禁門の変(蛤御門)の変と,1868年1月に発生した鳥羽伏見の戦いによる,京都・伏見等の住居等の被害の分析と,その影響としての東京遷都等の論説・発言は,非常に勉強になりました。

読書について「宰領」

「宰領」(今野敏著,新潮文庫)を最近読み終えました。

都内の警察署に左遷された,東大法学部卒の変人キャリア警察官僚を主人公した,「隠蔽捜査」シリーズの5作目で,本作では,主人公の息子のお受験に加え,警視庁のライバルである?神奈川県警との問題等が描かれています。

前作から目立ち始めましたが,本作も主人公がスーパーヒーロー的になっており,シリーズの危機的状況は続いていると思いました。

しかし,家族にとっては,依然として変な存在であることである程度救われ,また,本シリーズの特徴である読み易さは維持されており,最後までどんどん読めました。