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生前対策の基礎知識③

前回に引き続き,生前贈与の活用を検討します。

贈与税の計算方法は2とおりです。

(1)暦年課税制度

もらう人ごとに毎年110万円の非課税枠があります。110万円を超えなければ,税金に関する手続きは不要です。超えた時にだけに,翌年3月15日までに申告書を税務署に提出し,贈与税を納めます。

(2)相続時精算課税制度

同じ「贈与する人,もらう人」の間なら,一生涯2500万円の特別控除額が複数の年にわたり使えます。2500万円を達するまでは,贈与税はかかりませんが,それを超えたら,一律20%の税率で贈与税がかかります。但し,一旦この制度を選択すると,(1)の暦年課税制度の毎年110万円の非課税枠は使えなくなります。

(贈与税の申告書の提出方法)

提出先:受贈者(もらった人)の住所地の所轄税務署

提出期限:贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日まで

提出義務者:贈与により財産をもらった人

 

 

生前対策の基礎知識②

前回に引き続き,生前にできること,やっておくべきことについて簡単に確認します。

【生前贈与の活用を検討する】

相続税の増税に備えて,生前贈与を行う人が増えています。相続税と贈与税の違いを上手く利用すれば税金の負担も軽くすることができます。

①贈与税の非課税枠は,もらう人ごとに毎年110万円。

②子や孫に何年かに分けて財産を渡すことも可能。

③確かに贈与があったという証拠・資料を残しておかないと税務署は認めてくれません。

④贈与契約書の作成。財産はもらった人にきちんと渡し,もらった人が管理しましょう。

 

生前対策の基礎知識①

今回から,生前にできること,やっておくべきことについて簡単に確認していきます。

相続に備えて生前にできる対策として.もっとも一般的なのが遺言です。

遺言作成については,当事務所の相続HPにも記載していますのでご確認ください。

【遺言についてのよくある疑問】

Q1 自らの死後,遺言は誰が実現してくれるのですか?

A1 遺言の中で遺言執行者を指定することができます。指定された遺言執行者は,相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の権利義務を有します。

 

Q2 遺言で相続させると指定した者が先に死亡した場合はどうなるの?

A2 原則としてその部分は失効します。そのため,「Aが遺言者の死亡以前,同時に死亡した場合はBに相続させる」という予備的な遺言が有効です。

 

Q3 遺言は書き直すことができますか?

A3 いつでも遺言を撤回することができます。遺言の撤回はあらたに遺言を作成する方法によって行います。

配偶者居住権について⑫

前回に引き続き,配偶者居住権以外にも,配偶者の居住権を保護するための方策を考えていきます。

【賃貸借契約等を締結する方法】

遺産分割により居住建物の所有権を取得した他の相続人と配偶者の間で賃貸借契約を締結する方法です。

【共有分割とする方法】

配偶者を含めた相続人全員が居住建物を共有するものとし,配偶者を除く相続人が配偶者に対し当該建物につき賃貸借契約・使用貸借契約を締結する方法です。

【配偶者生存中における遺産分割を凍結する方法】

遺産分割を行わず,配偶者が死亡した後に,2つの相続につき遺産分割を一挙に行うものです。この場合,配偶者居住権の問題は生じません。

以上の各方策は,いずれも相続人間の合意が成立することが条件となりますので,配偶者を巡る相続人間の関係は多様でありますから必ず合意が得られるわけではありません。配偶者の金融資産等の取得と併せて居住建物に住み続けたいという希望を実現できる方策は何か・・ということになります。

配偶者居住権について⑪

配偶者居住権以外にも,配偶者の居住権を保護するための方策として,次のようなものがあります。

【リバース・モーゲージを利用する方法】

  • 遺産分割により,配偶者がその居住していた建物の所有権を取得し,リバース・モーゲージを利用する方法です。
  • リバース・モーゲージとは,自宅不動産に担保権を設定し,金融機関等と締結した継続的金銭消費貸借契約に基づいて毎月の生活資金を受け,借受人が死亡した場合には担保に入れていた自宅を処分して返済するという融資形態をいいます。

リバース(逆)・モーゲージ(抵当融資)は,継続的金銭消費貸借契約に基づき毎月一定の額を借り,貸付限度額に達するという逆の流れとなります。

  • 現金収入が少ない高齢者に対し,その居住用不動産を担保にして毎月の生活費を融資することにより,在宅生活を安定させる制度です。
  • 金融機関の商品のほかに「都道府県社会福祉協議会が融資の主体となる不動産担保型生活資金があります。

但し,配偶者が生存中に貸付限度額に達するリスク,不動産価格の下落により担保物件の価値が借入残高より低くなるリスク,木造の中古住宅や,地方に所在する建物の場合,十分な担保価値がないと評価されて融資が拒否されることがあり得ます。

次回も,配偶者居住権以外にも,配偶者の居住権を保護するための方策お考えていきます。

 

 

配偶者居住権について⑩

前回に引き続き,配偶者居住権について説明をします。

【配偶者居住権の財産評価】

配偶者が遺産分割において配偶者居住権を取得する場合には,その財産的価値に相当する金額を取得することになります。そのため,配偶者居住権を取得した配偶者は,その価値に相当する分だけ,他の遺産からの取り分が減ることになります。また,配偶者が遺贈や死因贈与によって配偶者居住権を取得した場合にも,特別受益との関係で配偶者の具体的相続分に影響を与えることになります。そして,他に分割対象の遺産がない場合においては,遺留分侵害の有無を判断する際においても財産評価が問題となります。このように,配偶者が配偶者居住権を取得する場合には,その財産評価を確定させることが不可欠となります。配偶者居住権の評価手法は還元方式と簡易な評価方法が考えられます。簡易な評価方法の計算式によれば,建物敷地の現在価額から配偶者居住権付所有権(①負担付建物所有権と②負担付土地所有権等の緩和)の価額を控除したものとなります。

・法定耐用年数は,減価償却資産の耐用年数等に関する省令において,構造・用途毎に規定されており,木造の住宅用建物は22年,鉄筋コンクリート造の住宅用建物は47年と定められている。

次回は,配偶者の居住権を確保するための他の方策について説明します。

配偶者居住権について⑨

前回に引き続き,配偶者居住権について説明をします。

【配偶者居住権が消滅した後の配偶者の義務と権利】

居住建物を返還します。返還するときは,相続開始後に居住建物に生じた損傷がある場合には,これを現状回復させる義務を負います。また,付属させた物がある場合には,これを収去する権利を有し義務を負います。なお,配偶者の死亡により配偶者居住権が消滅したときには,配偶者の相続人が配偶者居住権の消滅によって生じた前記義務を相続によって承継することになります。

配偶者居住権について⑧

前回に引き続き,配偶者居住権について説明をします。

【消滅事由】

  •  存続期間が満了した場合
  •  配偶者が死亡した場合(相続の対象とはなりません。)
  •  居住建物が全部滅失等した場合
  •  居住建物が配偶者の財産に属することになった場合
  •  配偶者が配偶者居住権を放棄した場合
  •  居住建物の所有者による消滅請求をされた場合

次回は,消滅した後の配偶者の義務と権利についてお話します。

 

配偶者居住権について⑦

前回に引き続き,配偶者居住権について説明をします。

【存続期間】

配偶者居住権の存続期間の定めがないときは,その存続期間は配偶者の終身の間とされています。遺産分割の協議や,調亭若しくは遺言において終身ではない存続期間を定めることも可能です。存続期間の延長と更新はできません。

次回は,配偶者居住権の消滅についてお話します。

配偶者居住権について⑥

前回に引き続き,配偶者居住権について説明をします。

【対抗力】

  • 配偶者居住権の登記

配偶者居住権は,これを登記したときは,居住建物について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。また,居住建物の占有を妨害している第三者に対する妨害停止の請求,返還請求ができる。 しかし,敷地の譲受人は,「居住建物について物件を取得した者その他の第三者」に当たらない。

  • 配偶者の登記請求権

居住建物の所有者は,配偶者に対し,配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負っている。配偶者居住権の設定の登記は,配偶者と居住建物の所有者とが共同で申請しなければならない

次回は,存続期間についてお話します。