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改正相続法について⑮

改正相続法について,第15回目は,「配偶者居住権(長期)」についてご説明します。

施行は,2020年4月1日です。

【いままではどうなっていたの??】

配偶者が居住建物を取得する場合には,他の財産を受け取れなくなってしまう。

(例) 相続人:妻および子

遺産 :自宅(2000万円)及び預貯金(3000万円)だった場合

妻と子の相続分=1:1(妻 2500万円  子 2500万円)

⇒妻は,自宅(2000万円)と預貯金500万円

⇒子は,預貯金2500万円

そうすると,妻は,住む場所はあるけれど生活費が不足しそうで不安・・・

次回も引き続き「配偶者居住権(長期)」についてご説明します。

改正相続法について⑭

改正相続法について,第14回目は,前回に引き続き「配偶者短期居住権」についてご説明させていただきます。(施行は,2020年4月1日です。)

【ここが変わった!】

配偶者は,相続開始時に被相続人の建物(居住建物)に無償で住んでいた場合には,以下の期間,居住建物を無償で使用する権利(配偶者短期居住権)を取得する。①配偶者が居住建物の遺産分割に関与するときは,居住建物の帰属が確定する日までの間(最低6か月間は保障)②居住建物が第三者に遺贈された場合や,配偶者が相続放棄をした場合には居住建物の所有者から消滅請求を受けてから6か月。

次回は「配偶者短期居住権(長期)」についてご説明させていただきます。

改正相続法について⑬

改正相続法について,第13回目は,前回から引き続いて「配偶者短期居住権」をご説明します。(施行日:2020年4月1日)

【今回どのように変わるの?】

被相続人の建物に居住していた場合には被相続人の意思にかかわらず保護。 被相続人が居住建物を遺贈した場合や,反対の意思を表示した場合であっても,配偶者の居住を保護することができる。他に,常に最低6か月間は配偶者の居住が保護されるというメリットもある。

次回も引き続き「配偶者短期居住権について」ご説明させていただきます。

改正相続法について⑫

改正相続法について,第12回目は,「配偶者短期居住権」についてご説明します。

(施行:2020年4月1日)

【いままではどうなっていたの??】

配偶者が,相続開始時に被相続人の建物に居住していた場合には,原則として被相続人と相続人との間で使用貸借契約が成立していたと推認する。

配偶者の保護に欠ける場合がある

・第三者に居住建物が遺贈されてしまった場合

・被相続人が反対の意見を表示した場合

⇒使用貸借が推認されず,居住が保護されない。

次回は,どのように変わるのかをご説明させていただきます。

改正相続法について⑪

改正相続法について,第11回目は,「夫婦間の居住用不動産の贈与」について,ご説明します。

婚姻期間20年以上の夫婦間で贈与した場合,遺産分割の対象から外せ,配偶者が財産の取り分を増やせます。

 

(1)いままではどうなっていたの?

贈与等を行ったとしても,原則として遺産の先渡しを受けたものとして取り扱うため,配偶者が最終的に取得する財産額は,結果的に贈与等がなかった場合と同じになる。

⇒被相続人が贈与等を行った趣旨が遺産分割の結果に反映されない。

(例)

相続人:配偶者と子2名(長男・長女)

遺産 :居住用不動産(持分2分の1)2000万円(評価額)

その他の財産 6000万円

配偶者に対する贈与 居住用不動産(持分2分の1)2000万円

 

不動産が遺産の先渡しを受けたものと取り扱われる

配偶者の取り分を計算する時には,生前贈与分についても,相続財産とみなされるため,

(6000万+2000万+2000万)×1/2-2000万=3000万円となり,

最終的な取得額は,3000万+2000万=5000万円となる。

結局,贈与があった場合とそうでない場合とで,最終的な取得額に差異がないことになる。

 

(2)どう変わったの?

このような規定(被相続人の意思の推定規定)を設けることにより,原則として遺産の先渡しを受けたものと取り扱う必要がなくなり,配偶者は,より多くの財産を取得することができる。

⇒贈与等の趣旨に沿った遺産の分割が可能となる。

 

不動産を遺産の先渡しを受けたものと取り扱う必要なし

同じ事例において,生前贈与分について相続財産とみなす必要がなくなる結果,配偶者の遺産分割における取得額は,(6000万+2000万)×1/2=4000万円となり,最終的な取得額は4000万+2000万=6000万円となり,贈与がなかったとした場合に行う遺産分割より多くの財産を最終的に取得できることになる。

 

(3)ここが変わった!

婚姻期間が20年以上である配偶者の一方が他方に対し,その居住の用に供する建物又はその敷地(居住用不動産)を遺贈又は贈与した場合については,原則として,計算上遺産の先渡し(特別受益)を受けたものとして取り扱わなくてよいこととする。

⇒このような場合における遺贈や贈与は,配偶者の長年にわたる貢献に報いるとともに,老後の生活保障の趣旨で行われる場合が多い。

⇒遺贈や贈与の趣旨を尊重した遺産の分割が可能となる。

 

改正相続法について⑩

改正相続法について,第10回目は,「遺留分算定方法の見直し」について,ご説明します。

改正法は,相続人に対する贈与で遺留分の算定の基礎とされるものは,相続開始前の10年前とし,かつ,婚姻もしくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限るとされました。

改正相続法について⑨

改正相続法について,第9回目は,「遺留分金銭請求②」について,ご説明します。

【いままではどうなっていたの?】

金銭以外の財産(不動産や株等)について,遺留分は原則として共有割合に認められてきた。

【今回どのように変わるの?】

①遺留分減殺請求権の行使により共有関係が当然に生ずることを回避することができる。

②遺贈や贈与の目的財産を受遺者等に与えたという遺言者の意思を尊重することができる。

【ここが変わった!!!】

①遺留分減殺請求権から生ずる権利を金銭債権化する。

②金銭を直ちには準備できない受遺者または受贈者の利益を図るため,受遺者等の請求により,裁判所が,金銭債務の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができるようにする。

改正相続法について⑧

改正相続法について,第8回目は,「遺留分の金銭請求」について,詳細をご説明します。

【そもそも遺留分ってなに?】

遺留分とは・・ 法律上その取得が一定の相続人に留保されていて,被相続人による自由な処分(贈与・遺贈)に対して制限が加えられている持分割合

【誰に遺留分があるのか】

改正民法1042条

兄弟姉妹以外の相続人にある。

直系尊属のみが相続人 ⇒3分の1

それ以外(配偶者や子)⇒2分の1

(遺留分の割合の例)

被相続人は,他人Eが全財産をもらう内容の遺言を残した。

相続人は,配偶者・子A・子B・被相続人の兄弟姉妹(兄弟C・兄弟D)

遺留分⇒全部で2分の1

配偶者は,4分の1(1/2×1/2)

子Aは,8分の1((1/2×1/2×1/2)

子Bは,8分の1(1/2×1/2×1/2)

兄弟Cは,なし

兄弟Dは,なし

次回は,遺留分制度の見直しについて具体的に説明をします。

改正相続法について⑦

改正相続法について,第7回目は,前回に引き続き「特別寄与の制度②」をご説明します。

相続人以外の者の貢献を考慮するとは・・・・具体的にどう改正されたの?

【改正】

1.相続人以外の被相続人の親族(6親等以内)が

※例:被相続人の子の配偶者,兄弟姉妹及びその配偶者,兄弟姉妹の子及びその配偶者等

2.無償で

3.療養看護その他の労務の提供をしたことにより

4.被相続人の財産が維持又は増加した場合

5.相続人に対して金銭請求(特別寄与料)が可能

*金額の算定・・・相続人と特別寄与者との協議。困難な場合は家庭裁判所が定める。

*相続人が行う遺産分割に参加することはできない。

*期間:①相続の開始及び相続人を知った時から6ヶ月または②相続開始時から1年を経過するまで。(内容証明郵便を打つ)

改正相続法について⑥

改正相続法について,第6回目は,「特別寄与の制度」をご説明します。

【現行制度】

相続人以外の者は,被相続人の介護に尽くしても相続財産を取得することができない。

例)亡き長男の妻が,被相続人の介護をしていた場合

被相続人:父(平成28年死亡)  相続人:長女・二男

長男:平成20年死亡

・被相続人が死亡した場合,相続人(長女・二男)は,被相続人の介護を全く行っていなかったとしても,相続財産を取得することができる。

・他方,長男の妻は,どんなに被相続人の介護を尽くしても,相続人ではないため,被相続人の死亡に際し,相続財産の分配にあずかれない。

【制度導入のメリット】

相続開始後,亡き長男の妻は,相続人(長女・二男)に対して,金銭の請求をすることができる。→介護等の貢献に報いることができ,実質的公平が図られる。

※遺産分割の手続きが過度に複雑にならないように,遺産分割は現行法と同様,相続人(長女・二男)だけで行うこととしつつ,相続人に対する金銭請求を認めることとしたもの。

次回に続きます・・・・・。